下垂体・内視鏡手術センター

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神経内視鏡と手術技術の発展により、下垂体腫瘍をはじめ多くの頭蓋底腫瘍に対して、患者さんの負担の少ない方法で、鼻から手術(経鼻内視鏡手術)を行えるようになってきました。当院では2014年4月より、下垂体腫瘍、頭蓋底腫瘍に対する専門診療・手術を開始しました。

 

①診療形態
 下垂体腫瘍に対する治療は、①手術による腫瘍摘出、②ホルモン分泌状態の評価とそれに対する適切な治療、の2つのことをあわせて行うことが重要であり、内科と外科が協力して治療を行う必要があります。治療経過において、内科的治療が無効もしくは不十分な場合に外科に紹介する、もしくは手術後に内科に紹介する、などのパターンがありますが、その紹介過程でタイムラグが生じ、治療が滞ったり方針が変わってしまうことがあります。
 当院では内科、小児科との連携を強化し、科ごとの隔たりのないスムーズな診療を目指しており、将来的に内科的治療と外科的治療が一つの環境で行える内分泌総合診療の構想を持っております。とくに、頭蓋咽頭腫や胚細胞腫瘍などの小児疾患においては、手術治療はもちろんですが、その後のホルモン補充や成人になってからのフォローが非常に大切です。3つの科が連携を深めることでつなぎ目のない確実な治療を目指しております。
②手術
(1)下垂体腫瘍
 下垂体腫瘍に関してはほとんどの症例で経鼻内視鏡手術が可能です。当院では、手術の最初から最後まで内視鏡で行う、内視鏡単独経鼻手術を得意としております。鼻内を内視鏡で操作することで鼻への負担を最小限とし、また腫瘍摘出から摘出後の閉鎖まで内視鏡で行うことで広い範囲を目視で観察しながら手術ができるため安全な操作が行えます。もちろん内視鏡のメリットを生かして、死角のない手術、確実な手術を行っております。術者はこれまで600例の内視鏡手術の経験があり、立体感のつかみにくい内視鏡特有の2次元環境においても顕微鏡手術同様の繊細な操作を行うことが出来ます。そのため手術による死亡例もしくは意識障害や麻痺などの重篤な合併症例は皆無です。また、摘出後のトルコ鞍閉鎖に硬膜縫合という特殊な手技を行うことができるため、この手術の大きな合併症である髄液漏の危険性を0.4%に抑えることができております。摘出後にきちんと閉鎖することで退院後の生活における制限はなく、鼻かみや飛行機に乗ることも可能です。
下垂体腺腫
術前 術後
(2)頭蓋底腫瘍
 頭蓋底腫瘍に関しては、頭蓋咽頭腫や鞍結節髄膜腫などが対象となります。腫瘍が頭蓋内の深いところにあるため、これまでは頭を大きく開け、脳や神経、血管を押し分けて摘出する開頭手術が必要でした。しかし最近では、腫瘍の大きさによっては鼻から手術を行うことで体の負担を少なく摘出が可能です。さらに経鼻手術では腫瘍の下からアプローチするので、脳や神経、血管などを押し分ける必要がないため、より負担が少なくなります。手術の際には、安全性を高めるためにナビゲーションや神経モニタリング、血管ドップラーを使用します。術後は翌日から歩行が可能で、問題なければ術後7日間で退院可能です。この手術における髄液漏の危険性は下垂体腫瘍の手術より高く30%と言われています。当院では、大腿部から採取した筋膜をパッチワークのように縫合することで髄液漏を完全に抑えることに成功しています。
頭蓋咽頭腫
術前 術後
鞍結節部髄膜腫
術前 術後
閉鎖方法:筋膜によるパッチワーク縫合
閉鎖前 閉鎖後
③術後の経過について
 術後の下垂体機能を十分に把握し、適切なホルモン補充療法を行っています。成長ホルモン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、性腺ホルモン、抗利尿ホルモンなどを適正に保ち、患者さんの生活の質を十分に担保させていただいております。

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